11月の言葉 

 

 「こころこそ こころまよわすこころなり こころに こころ ゆるすな」
とは、剣の極意の歌である。
 ころころ変わるから、心とも言われますがこの歌のはじめの心は人の心を傷つけたり、苦しんだり、喜んだり、怒り、怖れ、悲しみで、ころころ変わる日々、使っている心です。
 後の、こころゆるすな、のこころは絶対積極の心・本心、良心のこころです。土の上に人、二人と書く坐も、また肉体の肉も人、二人と書きますが相対的自分と絶対的自分の対座した文字で、漢字には一つ一つ深い意味が含まれています。

 ある時、龍沢寺の山本玄峰老師が神社で手を合わし拝んでいた。その時、弟子が老師に何を拝んでいるのですか、と聞いた。すると老師は「自分の心を拝んでいるのだ」と、言われたと言う。

 私達はいつも神仏に手を合わしますが今、今、今に生きる自分があるのは永遠なる祖先のお陰である。それ故に、我々の祖先を背負った背中を霊台、もしくは守護神のおわす所と言われますが後ろの二つの肩甲骨で手を合わすがごとく、永遠なる祖先に手を合わし、前面では神仏に手を合わして、吾が本心・良心・絶対的積極の心に、立派な人間として生きることを誓う。

 そして、限りある人生を正しく、楽しく、幸せに生きて活きていかねばならぬ。

                             館長

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