7月の言葉 

 


 先日の全日本合気道演武大会の時、道友で国際写真家の出口 勝さんにお会いしました。
 その時に出口さんから恩師・佐々木先生の直筆の書「人生観」を川崎さんに差し上げる。との事で、お贈り下さった。私達はこの恩師の書を道場に掲げ修行の励みにします。とお伝えしたところ、出口さんから、これは佐々木先生の形見分けです。持つべき人が持ち、道場の皆さんの励みになれば佐々木先生もお悦びになるでしょう。との添え文がありました。有難いばかりです。
 師の書の人生観は「位(くらい)人臣極(じんしんきわめた)めた王侯も名もなき一介の凡人も、目は二つで鼻一つ、足で歩いて手で掴み尻でもの言う人はない。
 立って半帖、寝て一帖、天下を盗っても4帖半。着物は一着、ご飯は二杯。寝だめ食いだめ着だめもできず、厠(かわや)の姿は皆同じ。風呂に入る時は皆裸。
 何かあるのが人生で、幸も不幸も生きている証拠。嵐の中でも時がたつ、過ぎて仕舞えば屁の如し。泣いて暮らすも笑ふて住むも、同じこの世の浮世なり。
 貧も病も人生の糧(かて)。然も心は現在を要し、昨日は返すに由(よし)なく、明日は未だ我が手に非ずの今、今の中今に立つ。されば心と体にはより多くの喜びと楽しみを与えつつ、悠々と人生道を味ふ」。いいか、何かあるのが人生だ。この世の中の相対的な事柄にとらわれないで、絶対的な自己の研鑽に励んで行くのだよ。
 との、師の声が聞こえてくる。皆さん、この暑さで己を鍛え、大汗を流して稽古し、元気・元気でやり抜いて行きましょう。



    館長

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