令和元年11月の言葉 

 

 和歌山の御坊・道成寺に千手観音像が安置されているが、千手観音像の実在を知った感動のドラマがあった。
 それは、ある全盲の子供の施設で、目の見えない子供達が、お母さんを手探りでスケッチをしていた。 目が見えない子供達は実に感が良く、お母さんをバランスよく描いていた。 その中の一人の子が、不思議なお母さんを描いていた。足は二本だが、手は無数に描いたお母さんの絵であった。その絵を見た先生は、その子に「上手に描けたね」と、その子をほめ、「このたくさんの描いた手は、お母さんに感謝の気持ちで描いたんでしょう」と言うと、その子は黙ってうなずいた。 そして、その子に「僕は目が見えないから、お兄ちゃんや、お姉ちゃんよりも何倍も、僕に手をかけてくれた、その感謝の心ですね」と先生は、その子に話しかけると、その子は見えない目から涙を流したと云う。
 この絵こそ、千手観音の実在である。 されば私達は、この二本の手で、どれだけの働きができるかである。
           母の慈愛にまさるものなし
               目に見えぬ 神の姿ぞ母心
                       命捧げて 悔いも残さず 

                                   館長

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